身土不二と一物全体

マクロビオティックには「身土不二」と「一物全体」という2大原則があります。

初めてこの言葉を活字で見た人は読めないうえに、意味もチンプンカンプンということも少なくないでしょう。

しかし、この2大原則はマクロビオティックの食事法の特徴を大きく表したもので、この2つを理解できればマクロビオティックの階段に乗ったとも言える重要ポイントとなってきます。

身土不二とは?

身土不二は「しんどふじ」と読みます。

仏教用語でも「しんどふに」という違った読みで存在しており「世は人を映す鏡、人は世を写す鏡」、つまり因果応報という意味で用いられています。

しかし、マクロビオティックの身土不二は、明治時代に発足した「食養会」が展開した独自理論「その土地、その季節の食物がいい」という考え方がもとです。

人間も植物も同じ環境に生まれているのだから、四季のある日本においては、季節に逆らわず四季折々の食材をとることが、体のバランスを整えるには一番いいという意味を持っています。

一物全体とは?

一物全体は「いちぶつぜんたい」と読みます。

この言葉も仏教用語で、生き物が生きているのは丸ごと全体が一番バランスがいいのだから、そのまま摂取することが体のバランスを取るには最も望ましいという意味で用いられています。

この言葉はそのままの意味で食養にも用いらており、精米されていない玄米や皮や葉すべてを含んだ野菜など、すべてを摂ることが体のバランスを整えるのに一番いいという意味を持ちます。

このようにベジタリアニズムと混同されがちなマクロビオティックですが、ただ単に野菜を食べればいいとうことではなく、季節や環境、状態に逆らわず、あるものをありのままに食するということがマクロビオティックの根底であり、ほかとは一線を画す大きな特徴と言えるのです。